2012年2月〜2013年2月にかけて放送された、特命戦隊ゴーバスターズの視聴が完了しました。
【概要】
- 放送形態:4クール
- エピソード:全50話
- ジャンル:特撮テレビドラマ
- キャッチコピー:「バスターズ レディゴー!」
- 話数カウント:Mission ◯◯(数字)、最終話は「Final Mission」
- サブタイトルの法則:特になし
- 視聴方法:YouTube(2025年2月〜7月に配信)

戦隊の変革をテーマにした異色作
【イントロダクション(Amazon紹介サイトより)】
13年前──人里離れた研究所のスーパーコンピューターにバグが発生。意思を持って暴走し、人々を襲ってきた。人類は大きな犠牲を払い、研究所ごと亜空間に転送、当面の危機は回避された。
しかし、亜空間に転送されたメサイア率いる”ヴァグラス”は完全に滅びたわけではなく、この世界と人類を支配するため密かに体制を整えていたのだ。そして人類も、ヴァグラス襲来に備え、「特命戦隊ゴーバスターズ」を結成していた。
事件から13年──時は新西暦2012年(N.C.2012)。都市生活を支える新エネルギ”エネトロン”を狙い、ヴァグラスが出現。今こそ出撃の時!人々を守る特命を帯びて戦う”ゴーバスターズ”が、相棒の”バディロイド”とともヴァグラスに立ち向かう!
すみません、また前回の更新から2ヶ月以上という長い空白期間が空いてしまいました。毎回「時間が経つの早くない?」と思いながら書いてます。去年は19本でしたが、今年はこれを含めてまだ15本…年初に「30本を目標」とか「8月はもう2〜3本は投稿したい」とか言ってた自分はどこへ行ってしまったのでしょうか。
さて、今回はスーパー戦隊シリーズ第36作・特命戦隊ゴーバスターズの感想になります。前作の海賊戦隊ゴーカイジャーが「戦隊の総決算」だったのに対し、今作は「戦隊の変革」を目指したものであり、それまでの戦隊ではあまり見られなかった要素が意図的に取り入れられています。
全体的な感想
従来のスーパー戦隊でお約束だった要素をなくし、徹底したリアル路線を貫いていた作品でした。例の1つとして、怪人と巨大怪人との戦闘が並行して行われるという斬新な戦闘フォーマットが挙げられます。
今作では怪人は「メタロイド」、巨大怪人は「メガゾード」という名称があり、これまで通り怪人を倒していくのですが、流れが異なります。順序としては
①敵幹部がメタウイルスを物にインストール
②メタロイドが生成されると同時に、亜空間からメガゾードが転送される
③転送までの時間はまちまちだが、概ね短いので同時に戦わなければならなくなる
といったところ。もちろんどちらも放っておくと被害が甚大になるため、どちらか片方だけ対処した後にもう片方を対処する…なんて事は許されません。戦力が分散されるため一筋縄ではいかず、「どうすればこの状況を打開できるのか?」「誰がどのように敵を倒していけばいいのか?」という戦略的な視点が求められます。これだけでも、本作が目指した方向性の鋭さが伝わってきますね。
良かった点
上記のリアル路線もそうですが、シリアスな話も多めです。
主人公たちは13年前のクリスマスに起きたある事件に巻き込まれ、ゴーバスターズに変身できる事と特殊能力を持つ代わりに、ウィークポイントと呼ばれる弱点も持つようになりました。具体的には以下の通り。
もちろん戦闘中も発動は起こるので、これで戦力が減ってしまう事もあります。考えなきゃいけないことが多過ぎる…。
また、彼らを支えるバディロイドとの掛け合いシーンも必見です。単なるサポートメカではなく、人格を持った相棒として時には支え合い、時には傷付きながら成長していく。担当声優とスーツアクターの演技相性も抜群であり、二人で一人のバディものとしてのヒーロー像を確立していました。
気になった点
一方でとっつきにくい点もあります。エネトロンやメタウイルス、亜空間といった専門用語が飛び交い、物語の構造も複雑。技術班や基地・ロボットの細かな描写もあるため、従来の戦隊シリーズが持つ「気軽さ」や「分かりやすさ」を期待して視聴した層──特に低年齢層の子供たちにとっては、少々ハードルが高かったかもしれません。毎週ワクワクするというよりは、じっくりと積み重ねるタイプのストーリーなので、こればかりは仕方ないです。
また、戦闘中(特にマスクアップのシーン)ゴーグルの部分に、撮影スタッフやカメラが反射して映り込んでしまうシーンが散見されました。水泳で選手が付けているミラーゴーグルのような素材なので、はっきりと映るんですよね。見方を変えれば、ある意味これもリアル路線と言うべきなのかもしれませんが。
点数
85点
スパイアクション、SFドラマ、そしてバディもの。これらの要素と独自の世界観が合わさった結果、視聴時における「これはどうなるんだ?」という緊張感はなかなかのものでした。特に中盤における亜空間への突入と終盤のクリスマス戦及び最終決戦は、絶望からの激アツ展開でかなり見応えのあるものになっています。子供騙しではない、本気のドラマを求める大人達の心にこそ深く突き刺さることでしょう。
確かに万人受けするタイプの作品ではありません。しかし、もし特撮に「リアル」や「深み」を求めたいならば、ぜひゴーバスターズを視聴してみてください。きっとこの作品でしか味わえない感動や魅力が出てくるはずです。
以上、特撮「特命戦隊ゴーバスターズ」の感想でした。
余談ですが、上記にもあるようにこの作品は放送時点から見て「13」年前に起きた事件が全ての始まりでした。中盤から登場するメサイアカードも全部で「13」枚。今回、僕がYouTubeで本作を改めて視聴したのは2025年で、本作が放送された2012年から「13」年後にあたります。また、今年の5月にNHKで放送された全スーパー戦隊大投票において、「13」位にランクインしています。
13という数字に運命を感じた瞬間でした。